円ドルで為替取引をしているという人は多いようです。円とドルの歴史的な関係はどういったものでしょう。

円ドルの関係は今から140年ほど前からのものでしかありません。1871年に円ができた時は1ドル=1円でした。しかし西南戦争が1877年に起き、その戦争費用を賄うために兌換紙幣が大量発行されてインフレになり、1ドル=1円という相場が崩れはじめました。

日清戦争の賠償金で英ポンドを得たことが、日本が本格的な金本位制に移る契機になりました。1944年のことで、英ポンドを日本円にするために、金に交換するプロセスを得るためです。

1897年から1917年までの間は金本位制の元で、為替は1ドル2円強で推移していました。時代が第1次世界大戦になると、日本の物資がヨーロッパ諸国に変わって輸出が盛んになったため、経常収支が黒字になり、為替は円高方向に大きく動くようになってきました。

日本経済は第一次世界大戦が終了した後に低迷の一途をたどります。追い討ちをかけたのが1923年の関東大震災でした。円相場は大幅に暴落し、一時は1ドル=2円63銭になりました。

円の大暴落を受けて金本位制に戻すことによって経済情勢の立てなおしをはかろうという意見が出ました。結果的には円安状態の中で旧平価と同等の水準で金を解禁するという措置を、内閣はとりました。

マーケットを無視したこの判断が企業収益の悪化や倒産を招き、昭和恐慌がおき軍部が政治に介入するきっかけとなったのです。

歴史的な色々な事件に影響を受け、あるいは影響を及ぼしながら円ドルは推移しています。